ありあまる時間とその使い方
地球の誕生が46億年前って誰がどうやって推定したんだ。
どうもご無沙汰しております。
就職活動が終わり、完全に自由の身となったワケだが、今度はそのありあまる時間をどう使おうかと頭を悩ませた。
そして寝る間も惜しんで考え抜いた結果、一つの決意をする。
麻雀を極めよう、と。
なぜ麻雀か。
まず何かを極めたいと考えたのである。
一番避けたかったのは、社会人になるまでの半年間スマホとパソコンでだらだらネットサーフィンをして気付いたら4月になっている事。
これだけは何としても避けなければならない。絶対将来後悔しかない。
ならこの時間をどう使っていくか。
無論旅行の計画は立てるが、金銭の都合上、そんな高頻度で旅行に行ける訳がない。
ゼミやサークルのように、生活の中心となるものが何か欲しい。
そう考えた結果、麻雀に行き着いた訳である。
麻雀であれば、将来社会人になっても休日で打つ機会があったり、老後の楽しみになるかもしれないと考え、半年間全力で費やそうと決意した。
麻雀は勉強量と実力の相関が高いゲームだ。
麻雀を極めるにはどうすべきか。
答えは簡単、豊富な知識と経験量がモノを言うのである。
なんだ当然じゃないかと思われるかもしれないが、これが半年間の空白と相性がいい。
麻雀の戦術は無限にある。
たとえば「どういう時にリーチをかけるべきか?」「危険牌の序列は?」「染め手の時にどの牌を切るのが最も受け入れ枚数が多いか?」「チートイツは全和了の何%を占めるか?」など少し質問しただけでもこれら全てに完璧に答えるのは難しい。
ただ、これらは勉強すれば明確な答えがある訳で、それを身につければ大きな武器になる。
もちろん知識だけではただの理論家で、実践して経験を積まなければ全く活かせない。
その経験の部分は、今の時代ネット麻雀であればノーコストで無限にできる。
単位と取らなければならない学生や、日々の業務がある社会人じゃないからこそ、この経験の部分に費やせる時間も腐る程ある。
要するに、時間が無限にあるからこそ他の人には真似できないくらい知識を磨いて経験を積んで最強の雀士になってしまおうという事である。
知識を身に付ける
決意した直後から僕は毎日気持ち悪いレベルで麻雀の猛勉強を始める事となる。
元々中学生の時から麻雀はかじっており、大学時代もたまにフリー雀荘に行く程度で知識はあった。しかし、決して強くはない。ドラゴンボールで言えば地球人の中では強いが、フリーザやセルといった強敵といざ戦闘になると全く役にたたないヤムチャみたいなポジションである。
だから、勉強の内容としては基本的なルールの勉強ではなく、「何切る」であったり、多面待ちの全パターン網羅、麻雀におけるセオリーなどを徹底的に勉強する事にした。
まず取った行動が「漫画喫茶への駆け込み」である。
正直「麻雀漫画は楽しむものであって、漫画を読んだから強くなる訳ではない」と僕は考えている。アカギも哲也も読んで麻雀のスキルがアップする訳ではない。(サッカーで言えばイナズマイレブン的なとんでも麻雀を繰り広げる咲は論外である。)
ただし、オバカミーコだけは別だ。Amazonのレビューを見ればその偉大さが伝わってくる。
「麻雀歴10年以上なのですが、今までこんなことも知らずに打っていたのか、と言うような気付きがたくさんありました。」
「はっきり言って、巷に出回っている戦術書の9割は使えないのだ。ましてや、ただの娯楽である麻雀漫画を読んで強くなる訳がなかった…そう、今までは。この漫画は革命を起こしたのだ。」
Amazon.co.jp: 打姫オバカミーコ (1) (近代麻雀コミックス): 片山 まさゆき: 本
何が凄いかと言えば、戦術書でありがちな曖昧な表現を使わず、麻雀のセオリーを教えてくれる点である。作者はあとがきの中で、以下のように自信満々に述べているだけある凄い漫画なのだ。
「麻雀がうまくなるためにはどうしたいいのですか?」の問いに
これを読め!と自信を持って言える戦術書がどこにもない!それならば俺が自ら書く!打姫オバカミーコ1巻「あとがき」
漫画の中で出てくる理論や戦術がまとめられたサイトもあるので、麻雀をやってる人はぜひ一度目を通してみて欲しい。
http://uminomoqz.web.fc2.com/page4.htm
一番単純で分かりやすい具体例をあげると、押し引きの基準がある。
先手 良形 高得点 そのうち2条件がそろったら押せ
後手 悪形 安手 そのうち2条件がそろったら引け
つまり「早いテンパイ」「リャンメン待ち以上」「高得点」の内2つ以上揃ったらグイグイ押して良い
逆に「遅いテンパイ」「カンチャンやペンチャンといった悪い待ち」「安い手」の内2つ以上揃ったらその局は降り
という訳である。これはほんの一例で、作中でこうした法則やセオリーがバンバン紹介されている。
このオバカミーコを漫画喫茶で数時間パックを使って数日こもり、読み耽った。
客観的に見たら漫画喫茶で漫画読んでるキモオタである。
オバカミーコを一通り読み終えた後は、以前から気になっていた「科学する麻雀」をAmazonで購入し、蛍光ペンを持って熟読する事となる。
科学する麻雀 (講談社現代新書) | とつげき東北 | 本-通販 | Amazon.co.jp
発売日が2004年と少々古いが、今でも通用する最強の戦術本である。
発売当初は麻雀界に革命を起こしたとも言われ、巷では超有名な一冊。
この本の何が革命的か。それが数字を用いてしっかり根拠を述べている点である。
科学する麻雀という文字通り、ネット麻雀の膨大なデータと独自のツールを使って確率や期待値を求めており、初の統計的アプローチ麻雀戦術本として、従来の戦術書に激震が走ったのだ。
これによって従来の常識とされていたものが、ウソがある事が徐々に解明されていく。
たとえば「裏スジは危険」と一般的に言われているが、実戦譜から採ったデータから、「裏スジはそうでない牌よりも危険ではなく、むしろ安牌になっている事が多い」と判明した。
「リーチの宣言牌のソバは危険」といった常識も無視できる程小さな影響としている。
「三色や一通をみるために手変わりを待った方がいい」と従来言われていたケースも、「リャンメン待ちであれば手変わりを待つ事は結果的に損になる」というデータがある。(詳細は本を見て欲しい)
こうした過去の常識を覆しただけでなく、実際に使える統計データも提示されている。
「4人が通常通り打った場合、流局確率は15%程度」
「チートイツは全部の和了率の3.3%しかない」
「字牌の持ち持ち確率は最大10%程度しかない」
実際に、僕自身複数の本を読んで、最も参考になった本がこの「科学する麻雀」であり、一番この本を参考にして手作りをしている。
そして次に読んだ本が「おしえて!科学する麻雀」
おしえて!科学する麻雀 | とつげき東北, 福地 誠 | 本-通販 | Amazon.co.jp
科学する麻雀は数式など難しい部分が多く、その批判を受けて、別の著者がわかりやすくリライトしたものである。正直科学する麻雀を読んだなら読む必要はないと思う。
「おしえて!科学する麻雀」が読みやすかったのでそのまま続編シリーズを購入し、今まさに読んでいる所。
Amazon.co.jp: 勝つための現代麻雀技術論: ネマタ, 福地 誠: 本
Amazon.co.jp: もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編: ネマタ, 福地 誠: 本
「勝つための現代麻雀技術論」は基本的な戦術書。
「もっと勝つため~」の方は色々な牌譜があり、「何切る」本。
そもそも「勝つための現代麻雀技術論」は「現代麻雀技術論」というWebサイトを書物にまとめたものであり、下のサイトがオリジナル。
このサイトは情報量が膨大で非常に有益。
完全に読もうとしたら数十時間は必要だと思う。少しずつ読んでいこうと思う。
※お気に入りはこの多面張の理論。暗刻含みの多面待ちは結構清一色などで頭がこんがらがるのでこうして法則にして貰えると助かる。
他にもこんな本を読んだりして、取り敢えず片っ端から評判の良い戦術書を読んでいく事で、知識では誰にも負けないと胸を張れるようにしようと思ってる。
Amazon.co.jp: これだけで勝てる! 麻雀の基本形80: 福地誠: 本
この麻雀を極める取り組みは先週から始めたんだけど、丸一日時間があるので、先週はそれこそ一日の半分以上を麻雀戦術書読み込みに費やしてた。
客観的に見れば、「家に引きこもって麻雀の勉強をやってるどうしようもないクズ」であるが、ここは最強になるためだ。致し方ない。
経験を積む
ただ勉強で知識を入れているだけでは技術は身につかない。本当はフリー雀荘に行って打ちたいワケだけど、経験を積むのが目的で雀荘行ってたらあっという間に金がなくなる。
だからネット麻雀で経験を積んで、確実に強くなったと自負できるレベルになってから通おうと決めた。
そこで始めたのが「天鳳」。現在ネット麻雀のスタンダード的存在で、麻雀やっている人であれば大体知っていると思う。
そこで新規アカウントを作成し、結構やり込んだ。数十時間はやり込んだと思うが先週始めたという事もあって、42局とまだ対局数が少なかった。
現在の成績
もしこの成績が維持できるなら史上最強レベルである。
まだ試行回数が少なく、しかも一般卓で弱い。それを考慮すれば全く今の段階では成績なんて当てにならないと考えている。こっから上級卓に入り、どれだけ良い成績が残せるかで指標になると思う。
ただ、戦術書やオバカミーコを読んだおかげで、確実に判断力は付いたと実感してる。
なぜその牌を切るのかという1手1手に全て根拠があるし、それを他人に話せる。
リーチをかけるべきか否かであったり、押し引きの判断がしっかりできるようになったのは大きく、先週一週間必死に取り組んだ事は恐らく無駄ではなかったように感じる。
目標の対戦数は500。
入社まで7ヶ月(約210日)あるため、1日2.5回半荘打てば届く数値である。
最悪天鳳で届かなくても、雀荘と合計で500半荘は打っていければいいなと考えてる。
学生のワイワイ楽しい中途半端な麻雀じゃなくて、数字やデータや期待値に基づく、超効率的に打つ人間を目指していく。
そんな新たな物語が始まった。